第58回選手権:9日目 
昭和51年8月17日。この日の甲子園は3試合とも熱い内容でした。
また、同年、センバツ優勝、準優勝校が同じ日に姿を消した日でもあります。

■選手権58回大会 9日目 第1試合目
海  星
 
崇  徳
 
[海星]酒井−吉武 [崇徳]黒田−応武
[本塁打] なし
[3塁打] なし
[2塁打] なし
 [オーダー]
       [海星]               [崇徳]             

 

氏名

打数

安打

打点

三振

四死球

鈴木

平田

吉武

酒井

加藤

本田

※7

川津

由本

古川一

古川俊

 

30

※は途中出場

酒井 回9 安打2 振8 球2 失0 自責0

 

氏名

打数

安打

打点

三振

四死球

山崎

樽岡

小川

永田

兼光

応武

釘屋

黒田

槙村

 

 

 

 

 

 

 

28

 

黒田 回9 安打3 振9 球2 失1 自責1

<戦 評>

午前9時59分。試合のサイレンが鳴り響いた試合は、予想通りセンバツ優勝投手:黒田と九州の怪腕:酒井の熱のこもった投手戦が展開されました。
黒田はカーブを中心に海星打線を7回一死までノーヒット。均衡が破れたのはその7回、海星:加藤がレフト前に初ヒット。続く由本がライト前に運んで。一死1,3塁の絶好のチャンスを向かえる。        

ここで海星8番の古川一の当たりは、黒田のシュートに食い込まれてバットに当たり損ねの一塁線の打球。崇徳:応武捕手が一瞬ファールと思ったか、一塁への送球が遅れ内野安打。3走:加藤が決勝のホームインを踏んだ。                                              

海星:酒井は序盤の2,3回こそ3塁まで走者を許したものの、4回以降は内外角に思い速球を決めて無安打に崇徳打線を抑え全く危なげなかったが、一方の崇徳:黒田は海星:酒井を上回る9奪三振の力投も打線の援護が無く1点に泣いた。

                          

■選手権58回大会 9日目 第2試合目
星  稜
 
天  理
 
[星稜]小松−沖野 [崇徳]福家−鈴木喜
[本塁打] 小松
[3塁打] 谷口、中井、鈴木喜
[2塁打] 中野×2
 [オーダー]
       [星稜]             [天理]              

氏名

打数

安打

打点

三振

四死球

山下

片山

中井

谷口

小松

金森

田中

沖野

種本

 

 

 

 

 

 

34

小松 回9 安打9 振8 球6 失2 自責2

 

氏名

打数

安打

打点

三振

四死球

新田

鈴木喜

鈴木康

中野

関井

小山

金田

※7

中山

福田

福家

 

35

福家 回9 安打8 振7 球2 失3 自責3
      ※は途中出場

<戦 評>

星稜はクリーンナップ揃っての長打攻勢で逆転、石川県勢として昭和7年の18回大会の石川師範以来、44年振りのベスト8進出を決めました。
試合は3回に動いた。天理が一死3塁から、新田、鈴木喜、鈴木康の3連打で1点を奪い、更に一死満塁のチャンスだったが、4番:中野が投ゴロで1−2−3の併殺。 天理は7回にも鈴木喜、中野の2長打で1点差を追い上げ、更に二死2塁とするも、小山が消極的な待球策に出て見逃し三振に倒れ、12残塁の拙攻に終わった。                                              

星稜は2年生エース、4番の小松が大黒柱。1点リードされた4回に小松が福家の2球目のカーブをを軽々とレフトラッキーゾーンに叩き込む大会11合で同点。続く5回には二死1塁には、4番:谷口が左中間を綺麗に抜く3塁打で逆転に成功。7回にはレフト前ヒットで出塁の山下が2塁に盗塁後バントで3進後に3番:中井がライトオーバーの3塁打でダメ押し点を挙げ、小松の力投で逃げ切った。

              

■選手権58回大会 9日目 第3試合目
小 山
 
豊見城
×  
[小山]黒田−立川  [豊見城]赤峰−宝
[本塁打] --------
[3塁打] --------
[2塁打] 金城、宝、城間政

 [オーダー]
       [小山]          [豊見城]             

 

氏名

打数

安打

打点

三振

四死球

秋山

伊藤

黒田

立川

多賀谷

石井

諸原

古山

荒川

 

30

黒田 回9 安打10 振2 球2 失2 自責2

 

氏名

打数

安打

打点

三振

四死球

比屋根

岸本

金城

城間政

赤嶺

安次嶺

稲福

新城

 

27

10

赤嶺 回9 安打5 振3 球1 失1 自責1

<戦 評>

春のセンバツ準優勝校:小山は準優勝投手の初見が故障で本来はセンターの黒田が今大会を投げ、一回戦、2回戦と完封。2回戦の東海大相模戦では原らを要する強力打線を3安打完封。荒っぽい投球フォームから投げ込むボールには力が有りましたが打線の援護が無く、最後は豊見城への場内大声援と共に力尽きました。
小山:立川のタイムリーで1回に1点を先制された豊見城は6回、銭湯の金城がライト前ヒット。犠打で2進後、赤嶺もライト前へはじき返し一死1,3塁。ここで安次嶺がセンターに大きく打ち上げ同点。この一転で盛り上げる豊見城は更に押し気味に試合を進め、8回に宝の2塁打から一死3塁とし、城間政がレフト線に痛烈な2塁打を放ち逆転した。豊見城打線の思い切りの良い振りが、球威・キレの落ちた黒田を最後にとらえました。                                              

小山の黒田はよく頑張りました。代役の悲しさから球威、キレがなくなってしまうと急造投手の単調な投球を狙われ終盤に逆転負け。しかしながら甲子園では2試合完封。この試合も熱投。誰も彼を責めないでしょう。小山は赤嶺の投球に押され連打が出ず、豊見城の打撃に押されたせいか、盗塁死など焦りが見えた試合でした。


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